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エアコン「つけっぱなし」で電気代は節約できる?! おすすめの節電方法を解説

1年を快適に過ごすためには、エアコンが必要不可欠です。しかし、長時間使用していると「電気代が高くなってしまうのではないか」と不安を感じてしまいます。

エアコンの電気代を節約するためには、ガマンするのではなく工夫しながら使いこなすことが重要なポイントです。そして、意外にも「つけっぱなし」にすることが消費電力の節約につながります。

電気代は生活費の大きな割合を占めることから、節電の重要度が年々高まっていることも事実です。そこで今回は、エアコンを賢く使いながら節電する方法を解説します。

エアコンの電気代はつけっぱなしで節約できる

エアコンを「つけっぱなし」にすることは、電気代の節約につながります。なぜなら、エアコンの起動直後は、室内温度を調整するために多くの電力を消費するからです。

一定時間が経過し、設定温度に達すると、運転を維持するために必要な電力は比較的少なく安定します。そのため、エアコンをつけたり消したりすることには、起動時の大きな電力消費を繰り返す「無駄遣い」が発生しています。

理由|エアコンの起動直後は電力消費が大きい

エアコンの起動直後は、とくに多くの電力を消費します。その理由は、室温が設定温度に達するまで、最大限のパワーを使って運転するからです。

とくに、設定温度と外気温との差が大きいほど、フルパワーで稼働する時間が長くなってしまいます。そのため、以下のような「外気温との温度差が出やすい状況」ほど、つけっぱなしにすることを検討すべきです。

● 外気温との差が出やすい時期・時間帯

【時期】【時間帯】
夏(7~8月)9:00~18:00
冬(12~2月)22:00~6:00

※参考サイト:
https://www.daikin.co.jp/air/life/issue/mission05
https://www.daikin.co.jp/air/life/issue/mission05/page02

対策|短時間の外出ではつけっぱなしにする

こまめにエアコンをつけたり消したりすることは、消費電力の無駄遣いにつながる場合もあります。そこで、30分~1時間程度の外出では、エアコンをつけっぱなしにしましょう。

エアコンは設定温度に達すると、消費電力の少ない安定運転に切り替わります。安定運転は「省エネモード」や「エコモード」とも呼ばれ、電気代の節約につながる運転モードです。

ただし、1時間を超えるような長時間の外出では、つけっぱなしが逆効果になることもあります。いくら節電につながるとはいえ、誰もいない部屋を長時間冷やし続けることは得策ではありません。

電源を入れ直したときの消費電力を考慮すると、1時間程度の外出であれば「つけっぱなし」が効果的です。

もし、外出する時間がわからない場合は、タイマー機能を活用しましょう。1時間後に電源を切るように設定しておけば、外出中に予定が入っても安心です。また、1時間以内に帰宅した場合は、タイマーを解除すれば安定運転を継続できます。

長時間使用するときは運転モードを使い分けよう

エアコンを長時間使用するときは、運転モードを使い分けることが重要です。とくに室温を下げたい場合は「冷房」と「除湿」の違いを理解しておきましょう。

冷房と除湿は使い分けが大切

冷房と除湿の運転モードには、以下のような違いがあります。

● 冷房と除湿のおもな違い

【運転モード】【おもな特徴】
冷房温度を下げるための機能 消費電力が比較的高い
除湿湿度を下げるための機能 (弱冷房除湿と再熱除湿の2種類がある) 消費電力が比較的低い

どちらの運転モードも室温を下げる効果が期待できます。ただし、電気代を節約するためには、状況に合わせて使い分けることが大切です。

一般的には「冷房より除湿のほうがお得」と言われることもあります。しかし、冷房を使うべきパターンもあるので、機能を正しく理解したうえで効果的に使い分けましょう。

冷房を使うべきパターン|温度の高い夏場

冷房は、室内の「温度」を下げるための機能です。そのため、気温の高くなる夏場は、冷房モードを使用しましょう。

除湿の目的は、あくまでも湿度を下げることです。室温を下げる効果も期待できますが、外気温が30℃に近づく夏場には十分な効果を発揮できません。

※参考サイト:
https://panasonic.jp/aircon/air_letter/news/cool_and_dry.html

室温を低く設定したい夏場では、湿度ばかりが下がり、なかなか設定温度に達しない状況も考えられます。快適な室内環境をスムーズに整えるためにも、室温を優先的に下げる冷房モードを活用しましょう。

除湿を使うべきパターン|湿度の高い梅雨の時期

除湿は、室内の「湿度」を下げるための機能です。そのため、湿度の高くなる梅雨の時期は、除湿モードを使用しましょう。湿度は空気を冷やすことで下がるため、結果的に室温も下げられます。

ただし、除湿には以下の2種類があり、それぞれで冷房効果が異なることに注意が必要です。

● 除湿の種類と冷房効果の違い

【除湿の種類】【おもな特徴】
弱冷房除湿冷房効果あり 除湿のために冷やした空気を室内に戻す。
再熱除湿冷房効果なし 除湿のために冷やした空気を暖めなおしてから室内に戻す。

運転モードと消費電力の関係性は、一般的に「再熱除湿>冷房>弱冷房除湿」と言われています。そのため、ジメジメとした蒸し暑さを解消したいときには、弱冷房除湿が効果的です。

※参考サイト:
https://www.daikin-hvac-tokyo.co.jp/column/trouble/冷房と除湿、どう使い分けるのが効果的?

一方、再熱除湿には冷房効果がなく、空気を温め直すことにより多くの電力を消費します。除湿による冷房効果を期待したい場合には、適切な種類を選ぶことも心がけましょう。

送風運転も省エネ効果あり|3時間を目安に切り替えよう

エアコンの冷房機能を3時間以上使用する場合は、送風運転にも注目しましょう。送風運転は、エアコン内部を乾燥させるための機能です。また、室内の空気を循環する効果もあり、サーキュレーターと同じような役割を果たします。

室内の空気を循環させるだけの送風運転は、基本的に冷房や除湿よりも消費電力が少ないです。そのため、室温が下がりきった後は、送風運転に切り替えて空気を循環するだけでも涼しさを持続できます。

また、大手メーカーの見解では、就寝前のタイマー設定に「3時間」を推奨する傾向にあります。長時間つけっぱなしにする場合は、3時間を目安に運転モードを切り替えることも検討してみましょう。

※参考サイト:
https://www.daikin.co.jp/air/life/laboratory/sultry-night
https://twitter.com/Panasonic_cp/status/1290875178147368972

エアコンの電気代を節約する10個の方法

ここからは、エアコンの電気代を節約するための方法を紹介します。今回は手軽に実践しやすい10個の方法をピックアップしました。

紹介する方法の一部には、節電効果を実感しにくいものもあるかと思います。しかし、毎年の使用頻度が高いエアコンだからこそ、手軽にできる対策を継続することが大切です。

電源を短時間でつけたり消したりしない

冒頭の見出しでも解説したように、エアコンの電源を短時間でつけたり消したりすることはムダな電力消費につながります。節電を意識すると、こまめに電源を消したくなりますが、以下のような場合は「つけっぱなし」にしましょう。

  • 30分~1時間程度の外出時
  • 短時間だけ部屋を離れるとき(来客対応時や入浴時など)
  • 気温30℃近くまで上がる猛暑日

風量・風向を工夫する

エアコンの効果を効率的に発揮するためには、風量・風向の工夫も重要なポイントです。

まず、風量については、以下の設定が適しています。

  • 起動直後は「強風」
  • 設定温度に達したら「弱風・微風」

消費電力を低く抑えられるのは「弱〜微風」です。しかし、はじめから弱〜微風に設定してしまうと、設定温度に下がるまで時間がかかり、余計な電気代もかかってしまいます。エアコンの起動直後は、強風の設定で優先的に室温を下げましょう。

また、風向については、冷気と暖気の特性を考慮して以下のように設定しましょう。

  • 冷房は「平行~上向き」
  • 暖房は「下向き」

風向の設定に制限がある場合は、扇風機やサーキュレーターを併用することもおすすめです。

自動運転モードを活用する

運転モードや風向・風量は、状況に合わせて使い分けることが大切です。しかし、いちいち設定を変更することには、手間を感じてしまうこともあります。

そこで、設定の切り替えに手間を感じる場合は、自動運転モードの活用が便利です。自動運転モードを活用すれば、室内外の状況をエアコンが判断し、運転モードや風向・風量などを自動調整してくれます。

機種やメーカーにより細かな機能は異なりますが、基本的には「省エネ効果」を実現するための運転モードです。

設定温度を少しだけ節約する(まずは1℃だけ)

大手メーカーの見解によると、設定温度を1℃変更することで消費電力を「約10%」削減できるようです。夏は設定温度を1℃上げる、冬は1℃下げるだけでも節電効果を期待できます。

真夏のように過ごしづらい季節には、設定温度を変更したくないと感じることもあります。しかし、1℃の差であれば、工夫次第で体感温度を下げることも可能です。

以降の見出しでは体感温度を改善する工夫も紹介しているので、まずは設定温度を1℃だけ変更することから実践してみましょう。

※参考サイト:
https://www.daikin.co.jp/school/electricitysaving-winter/challenge05
https://twitter.com/SHARP_JP/status/1506030419585941505

扇風機やサーキュレーターを併用する

体感温度を改善したい場合は、扇風機やサーキュレーターを併用するのが効果的です。空気を循環する扇風機やサーキュレーターには、室内の温度差を軽減する効果があります。

室内に温度差が発生することは、エアコンのムダな電力消費につながる要因です。たとえば、冷気は下方にたまりやすいため、天井付近に暖気がたまりやすい傾向にあります。

エアコンは基本的に天井付近へ設置するため、上方にたまった暖気で室温を判断してしまいます。結果的に、設定温度まで下げるための稼働時間が長くなってしまうのです。

空気が循環することで発生する風(気流)には、体感温度を下げる効果もあります。エアコンの風は基本的に下方へと向かうので、上方に向けて循環できるように扇風機やサーキュレーターを設置してみましょう。

湿度調節で体感温度をコントロールする

湿度を調節することでも、体感温度をコントロールできます。加湿器や除湿器を併用しながら、エアコンの設定温度を節約してみましょう。

体感温度を下げたい場合は、湿度を下げるのが効果的です。湿度が高い環境では汗が蒸発しにくいため、体温がスムーズに下がりません。除湿器を併用しながら湿度を下げましょう。

また、湿度を上げることで体感温度を高められます。とくに乾燥しやすい冬場は、加湿器との併用であたたかさも感じられて一石二鳥です。

窓やカーテンで断熱対策する

外気による室温の変化を軽減するためには、窓やカーテンを活用した断熱対策も効果的です。とくに直射日光による影響の大きい夏場は、日差しを遮ることも節電につながります。

  • 断熱カーテンを使用する
  • 雨戸を閉める
  • ドアや窓の開閉を極力減らす

室温を安定させるためには「外部の空気を入れない」「内部の空気を逃さない」といった心掛けも大切です。日中に外出する場合は、カーテンを閉めることもおすすめします。

フィルターや室外機を定期的に掃除する

フィルターや室外機を定期的に掃除することも節電に効果的です。ほこりやゴミがたまると空気をスムーズに排出できないため、エアコンの運転効率が下がる要因となります。

月に1回程度でも構わないので、まずは手軽にできる範囲で掃除を実施してみましょう。

  • 外側の汚れを拭きとる
  • ブラシ付きの掃除機でゴミを吸い取る

また、以下のような症状を発見した場合は、クリーニング業者に依頼することも検討してみてください。

  • 手の届かない範囲までゴミがたまっている
  • 異音のような大きな作動音が発生する

室外機への負担を減らす

室外機を快適に稼働させるためには、運転中の負担を減らすことも重要です。

  • 日除けをつけて直射日光を遮る
  • 室外機の周囲に物を置かない

直射日光による温度の上昇は、室外機の放熱を妨げるだけでなく、故障の原因となることもあります。日光の当たりにくい場所へ設置することが理想的ですが、すでに設置している場合は日除けを活用するのも効果的です。

また、室外機には、室内の空気を入れ替える役割もあります。室外機の周囲に障害物があると運転の妨げになってしまうので、風通しのよい環境を整えることも心がけましょう。

古いエアコンは買い替える

古いエアコンを10年以上使用している場合は、省エネ性能に優れた最新モデルへの買い替えも検討しましょう。環境省のデータによると、省エネモデルのエアコンに買い替えるだけで「約10%」も節電効果に差があるようです。

※参考サイト:
https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/

しかし、最新モデルの購入を検討すると、設置工事を含めた初期費用に負担を感じてしまうこともあります。そのような場合には、購入先のひとつとしてリサイクルショップもおすすめです。

リサイクルショップでも、省エネ性能に優れたモデルを取り扱っています。ランニングコストはもちろん、初期費用をできるだけ低く抑えたい方はチェックしてみてください。

※エアコン購入でおすすめのリサイクルショップはこちら

※中古エアコン購入のコツについてはこちらの記事もおすすめ

少しの工夫があればエアコンの電気代を節約できる!

エアコンの電気代を節約するためには、以下の工夫を心がけることが大切です。

① 30分~1時間程度の外出では「つけっぱなし」にする
② 温度の高い夏場は「冷房」モードを使用する
③ 湿度の高い梅雨の時期は「除湿」モードを使用する
④ 3時間以上使用する場合は「送風」モードに切り替える
⑤ この記事で紹介した10個の節電方法を実践する

今回紹介した節電方法は、少しの工夫で手軽に実践できます。まずは、実践できそうなことから1つずつ試してみてください。

節電のためにエアコンをガマンするのではなく、上手に活用しながら1年を快適に過ごしましょう。